シャープレシオとは、投資信託が過去にとった「リスクの大きさ」に対する「リターンの大きさ」を指標化したものです。過去の投資信託の運用成績を示すもので、リスクに対してどの程度の利益をあげることができたのかを投資信託間で比較することができます。
計算される数値が高いほど、「少ないリスクで多くのリターンを挙げている」と見ることができます。
シャープレシオを計算する方程式は以下の通りです。
シャープレシオ=(過去の運用利回り-無リスク資産の利回り)÷リスク(標準偏差)
無リスク資産については、ページ最下部の参照サイトで説明されているが、リスクをとることなく得られる利回りで、例えばゆうちょ銀行への預金金利や短期国債の利回りなどが代理変数として利用されることが多いが、投資信託の比較の場合はそれに近い数字であれば多少の誤差は問題ありません。
また、リスクとは一定期間における価格のばらつき(変動幅)のことで通常は「標準偏差」であらわします。標準偏差の出し方については参照サイトに任せるとして、 上記の計算を行うことで投資信託のシャープレシオを計算できます。
シャープレシオを使って実際に投資信託の性能を比較する場合を考えます。前提条件として無リスク資産の利回りは1%と仮定します。
投資信託A:過去3年間の平均運用利回り7% 標準偏差10%
投資信託B:過去3年間の平均運用利回り5% 標準偏差5%
数値だけを見る限りは、過去3年間の平均利回りは投資信託Aの方が高いようです。では、それぞれのシャープレシオを計算しましょう。
投信Aのシャープレシオ=(7-1)÷10=0.6
投信Bのシャープレシオ=(5-1)÷5=0.8
シャープレシオを計算してみると投資信託Aは0.6、投資信託Bは0.8と投資信託Bの方が優れいているという結果になりました。
これはどういうことかというと、投資信託Aは確かに3年間の平均利回りは投資信託Bよりも好調ですが、価格変動が大きく、それだけ大きなリスクをとっています。対して投資信託Bは利回りの水準は投資信託Aよりも少ないですが、小さいリスクで利益を上げているということがわかります。
このようにシャープレシオを計算してみることで、投資信託がどれだけ効率的に運用されているのかを分析することができるのです。
ちなみに、投資信託のシャープレシオについてはウェブサイトなどでそれぞれのファンドの数値が公開されていたりするので参考にしてみると良いでしょう。(もちろん自分で計算しても良いのですが)
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ここではこのページで使われた様々な用語について解説をします。リンク先は「金融経済用語辞典」の用語解説ページ、または関連情報が掲載されているサイトです。
・シャープレシオとは
シャープレシオ(Sharpe Ratio)とは、リスク調整済みリターンを計測する手法のこと。ポートフォリオにおける超過リターンがポートフォリオのリスクに占める割合(比率)のこと。
・無リスク資産とは
無リスク資産とは、リスクフリー資産とも呼ばれる。一般には短期国債があたる。
・標準偏差とは
統計学における手法で複数の値の中において個別の値が中間値(または平均値)と比較してどの程度の違いがあるかを計測したもの。