資産運用・投資とリスク リスクとリターンを徹底解剖

資産運用や投資をするときによく話しに上がるのが「リスク」についてです。あの投資はリスクが高いからやめた方がいいなどというように、使われますが、リスクという言葉についてその意味について正確に把握しているでしょうか?ここでは運用とリスクについてしっかりと考えていきます。
ちなみに、リスクについては細分化していけばどこまででも細分化していけるわけですが、ここでは資産運用・投資において一般的に使われる、対策されるリスクについての説明となります。

リスクとは何か?

リスクとは、将来における「不確実性」とその「危険性」の二つをあらわす言葉として使われることが一般的です。また、リスクの対義語はリターンです。

リスクというものはほとんど全ての行動に対してついて回るもので、現実リスクをゼロにするというおとはできません。それは将来の多くの出来事は不確実だからです。

例えば、多くの人は自動車を使います。自動車を使うことで行動範囲が広がったり早く目的地に着くことができますが、その代わり交通事故を起こすというリスクもついてくるわけです。

金融商品に対する投資も同じです。株式投資に投資をする場合は「価格変動リスク」や企業の「倒産リスク(信用リスク)」などを抱えています。一見安全そうに見える現金のまま持つということについても盗難な火災・災害などによる消失リスクを抱える他「インフレリスク」なども抱えています。

このように、リスクというものは生活・運用において切っても切り離せない環境にあるわけです。そうした上で、それぞれの選択にどんなリスクがあるのかをしっかりと把握した上でそのリスクをコントロールすることが大切なのです。

そうしたリスク管理については「リスク管理の方法」で詳しく説明していますのでそちらを参考にしてみてください。

 

資産運用における代表的なリスク

ここからは資産運用を行う場合に押さえておきたい代表的なリスクを解説していきます。現金を含めて安全といわれる預金や国債にももちろんリスクはありますし、逆にハイリスク商品でも場合によってはそれが他の資産のリスクをカバーすることになるケースもあるわけです。

リスクとリターン(リスクプレミアム)

まず、リスクについて考える際、投資の大原則としてリスクとリターンは表裏一体であるということを理解してもらいます。要するに、リスクに対して、投資家はプレミアム(付加価値)を求めることになりますので、結果として高リスク商品は高リターン商品ということになるわけです。ここでは、リスクとリターンについて分かりやすく説明します。
>>リスクとリターン(リスクプレミアム)

リスクの取り方(選び方)と投資

リスクとリターンは表裏一体の関係にあるということは説明しました。つまり、投資をするということは何ら可のリスクをとるということと同じです。要するにどんなリスクを負うのか?というのがどんな投資をするのかということを逆説的に導くこともできるわけです。
>>リスクの取り方(選び方)と投資

インフレリスク インフレによって貨幣価値が下落するリスク

インフレリスクとは、インフレーションによる貨幣価値の下落で損失をこうむるリスクのことです。多くの資産運用商品はインフレリスクに対して強いのですが、現金や定期預金、債券などはこのインフレリスクに弱い商品です。
>>インフレリスク

価格変動リスク 市場で価格が変動するリスク

価格変動リスクとは投資対象の価格が通貨ベースで上下することです。リスクと書いていますが、価格変動商品は価格変動がリスクであると同時にリターンになる可能性もあるわけでいわば表裏一体のリスクといえるでしょう。
>>価格変動リスク

為替リスク 為替レートが変動するリスク

外国為替レートが変動することによる差益や差損をこうむるリスクです。広義には価格変動リスクの一部です。価格変動リスクと同様にリスクである一方差益を得られるリターンにもかわる表裏一体のリスクです。
>>為替リスク

信用リスク(デフォルトリスク) 倒産や破綻、お金を返してもらえないリスク

債券や株式の発行体(企業や政府自治体など)が破綻するリスクのことです。こうしたリスクは多くの商品に存在しており、広義には円という通貨も日本国という政府の信用リスクを抱えていることになります。
>>信用リスク(デフォルトリスク)

流動性リスク 売りたくても売れないリスク

流動性(りゅうどうせい)とは、売買のしやすさや売買量の事を指し、流動性リスクとはこうした流動性が低いことにより売りたくても売れないリスクや売れても金額が安くなってしまうリスクの事を指します。
>>流動性リスク

金利リスク 金利が変動するリスク

金利リスクとは、将来の金利変動によるリスクのことを指す。代表的なのが、債券投資において、固定金利商品の場合、市場金利が上昇する事で、相対的にその商品が生み出す金利(キャッシュフロー)への魅力が下がることによる債券価格の低下などがあります。
>>金利リスク

市場リスク マーケット(相場全体)にかかるリスク

市場リスクとはマーケット全体の動向によるリスク。例えば株式投資をしたときに、投資した会社の業績は良いのに市場全体が下げることで、その企業の株価も下がってしまうようなリスクのこと。
>>市場リスク

カントリーリスク 国家の信用性に関するリスク

カントリーリスクとは、その名前の通りカントリー(国)におけるリスクのこと。例えば軍事的なクーデーターが起きた場合や、国の借金問題など実際の投資先とは関係なく、国全体の問題における値下がりリスクなどが挙げられます。
>>カントリーリスク

地政学的リスク 地域の紛争、テロなどのリスク

地政学的リスクとは、特定の地域における紛争などにより特定地域全体のリスクや特定の商品の価格を変動させるリスクのこと。例えば紛争により石油関連価格の値上がりによる業績悪化や、紛争などによる経済の停滞などが挙げられます。
>>地政学的リスク

 

「リスクとは」の用語解説

ここではこのページで使われた様々な用語について解説をします。リンク先は「金融経済用語辞典」の用語解説ページ、または関連情報が掲載されているサイトです。

リスクに関する用語一覧
リスクという言葉について様々なリスクを紹介。

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