リスクの取り方(選び方)と投資

リスクとリターンは表裏一体の関係にあるということは説明しました。つまり、投資をするということは何ら可のリスクをとるということと同じです。要するにどんなリスクを負うのか?というのがどんな投資をするのかということを逆説的に導くこともできるわけです。

自分がとる「リスク」とは何なのか?

リスクには様々なものがあります。「資産運用における代表的なリスク」としてあげているだけでも10個近く挙げています。こうしたリスクは様々な金融商品でそれぞれ程度の大きさは異なっているが存在してます。

投資をするというのはリスクをとるというのと同じなのですが、このリスクのとり方はいくつかあります。私が考える代表的なリスクの選び方には以下のようなものがあります。

  1. 他の人が過大評価しているリスクを取る
  2. とってもいいな(大丈夫)と思うリスクをとる
  3. おきそうも無いようなリスクをとる
  4. 一か八かのリスクをとる

 

他の人が過大評価しているリスクを取る

これは、情報の差などを通じて先手を打つやり方です。情報というものは均一化してはいません。例えば、私のほうがあなたよりも詳しい分野の話はあるでしょうし、逆にあなたの方が私よりも詳しい分野の話もあるでしょう。
こうした過大評価されているリスクをとるというのはリスクテイクの有効な手段です。

例えば、「あの会社って倒産しそうだよ。危ないんじゃない?」といわれている会社があるとします。この会社の信用リスク(デフォルトリスク)は極めて高く評価されているわけです。
でも、あなたがこの会社の財務状況はそこまで悪いわけではないという情報を知っていたら、またこの会社が持つ素晴らしい技術があることを他の人に先んじて知っていれば状況は違います。「みんなが思っているリスクより実際のリスクの方が小さい」わけですから、そのリスク差分あなたは小さいリスクで大きなリターンを得ることができるわけです。

株式投資における長期投資、バリュー投資などはこうした考えに基づくものですね。
ちなみに、先んじて情報を知ると書きましたが、もしあなたが内部者(会社の内部情報などを知れる立場の方)の場合は「インサイダー取引」といって禁止されている行為に当たりますので、そこは注意してくださいね。

 

とってもいいな(大丈夫)と思うリスクをとる

信用リスク、価格変動リスクがあってもある程度なら大丈夫として、信用格付が多少低い会社の社債に投資をしたり、投資信託に投資をしてみたりするのも「自分が大丈夫と思う範囲で投資をする」ということになります。
例えば、株に投資をする場合でも20%までは値下がりしても大丈夫などと判断をして投資をするのは20%までの価格変動リスクは受け入れる、というリスクのとり方です。
基本的に価格変動商品に投資をする場合は、価格変動の許容値を決めておくのはリスク管理上の鉄則です。

 

おきそうも無いようなリスクをとる

安全性の高い投資をするときです。例えば、日本国債に投資をする場合、大手銀行の定期預金に1000万円を超える預金をする場合、MRFやMMFなどに投資をする場合など、それぞれ信用リスクが存在しているわけですが、とっても大丈夫(ほとんど無視してOK)といったようなリスクに限定しているという方法です。
これらは無リスクではありませんが、リスクを気にするほど大きなリスクではありません。つまりおきそうも無いようなリスクをとる事で収益を得るという投資です。
ただし、おきそうにも無いリスクである以上はそれに対するリターンも少なくなっています。

 

一か八かのリスクをとる

投資というよりは投機に近い部分です。どっちに動くか分からないけど、一か八か、オールオアナッシングの気持ちで投資資金を突っ込む方法です。

言い換えれば許容範囲のリスクをとっているのでしょうが、ハイレバレッジの投資の場合元本以上の損失を生む可能性も十分にありますので、一か八かのようなリスクをとること自体に口は挟みませんが、失ってもいい範囲内での取引を推奨します。


「リスクの取り方(選び方)と投資」の用語解説

ここではこのページで使われた様々な用語について解説をします。リンク先は「金融経済用語辞典」の用語解説ページ、または関連情報が掲載されているサイトです。

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