確定申告はすることで有利になる場合も

確定申告というものは税金を納めるためだけにやるものだと思ってはいませんか?投資においても、確定申告をすることは必ずしも税金を納めるためだけでなく、損失を次年度以降に繰り延べしたり、複数の投資をしている場合はそれぞれの所得を合算できたりします。ここでは、投資において確定申告をする事でお得なケースを徹底解説します。

確定申告をすることで有利(お得)なケースとは?

基本的に確定申告とは、様々な所得における税金などをまとめて申告するためのものです。この申告手続きにより所得が「確定」します。

複数の証券会社で売買をしている場合

株式投資の場合は源泉徴収が特例で利用できます。しかし、A証券、B証券、C証券といったように複数の証券会社で株を売買している場合A証券はプラス、B証券はマイナス、C証券はプラスといったことになる場合も多いかと思います。
そうした場合、源泉徴収を利用していた場合でも確定申告をすることで、B証券のマイナス分が還付されることになります。つまり払いすぎた税金がバックしてくるのです。

源泉徴収を利用しており、所得が38万円未満の場合

株式売買においては、特定口座を利用している投資家は源泉徴収を利用できます。しかし、源泉徴収ありを選択しておいた方で、年間に所得(株の儲けや仕事の収入を含む)が38万円未満の場合には基礎控除の範囲内となるため、本来納税の必要はありません。
そのため、このケースでは確定申告をすることで払った税金が還付されます。

1年間を通じて株式やFX(取引所取引に限る)などの取引で損失が出た場合

1年間の投資を通じて株式投資やFX(ただしくりっく365や大証FXなどの取引所取引に限る)で損失が出た場合、この損失を確定申告する事で最大3年間損失の繰越が可能になります。例えば、今年100万円の損がでたとします。翌年は逆に100万円の利益が出た場合、確定申告をしていない場合には翌年の100万円は利益とみなされて税金が掛けられます。
しかし、前年に損失がでたという確定申告をしていた場合にはその利益から昨年の損失を控除することができます。例の場合は-100万円+100万円=0円の利益として非課税となります。

「確定申告はすることで有利になる場合も」の用語解説

ここではこのページで使われた様々な用語について解説をします。リンク先は「金融経済用語辞典」の用語解説ページ、または関連情報が掲載されているサイトです。

確定申告とは
その1年間に支払うべき税金の計算のためにおこなう申告のこと。

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