分散投資でリスク管理

分散投資とは投資において「投資対象」「時間」「種類」を分散させることによりそれぞれが持つリスクのベクトルを組み合わせることでベクトルを小さくしてリスクを下げるというリスク管理の方法です。

分散投資は投資のリスク管理においてとても基本的な考え方になりますのでぜひ理解するようにしましょう。

分散投資はリスクを分散させることができる

分散投資は投資においてのリスク管理で最も一般的な方法です。投資格言に「一つの籠(かご)に全ての卵を盛ってはいけない」という言葉があります。これは籠を落としたら全ての卵が割れてしまう。だから分散投資が大切ですよという意味を持っています。

分散投資には資金が必要とも言われますが、投資信託などの投資商品を活用することで個人投資家でも十分に可能です。なお、分散投資はその種類によって「対象」「時間」「種類」という三つの分散投資の方法があります。

 

投資対象を分散する

例えば、投資をする際に一つの銘柄に絞って投資をするのではなく、複数の銘柄に分けて投資をすることで分散投資が可能です。一つの会社に投資をしておくとその会社の個別の業績や悪材料で大きな損失をこうむるリスクがありますが、同じ業界でも二社に分散しておけば、そうしたリスクは半分になります。

 

時間を分散する

時間を分散するとは、投資をする時期を買えることです。1つの株式を購入する場合でも1度にすべての資金を投資するのではなく、3回に分けて投資をするなど時間を分散させることでリスクを分散できます。

有名な時間分散の投資法に「ドルコスト平均法」があります。

 

投資の種類を分散する

投資対象の分散と似ていると思われるかもしれませんが、投資の種類とは例えば株式投資と債券投資、普通預金と外貨預金といったように、種類自体を分散させるものです。投資商品によってはそれぞれの価格が逆相関の関係にあるものもあります。例えば、株式と債券の価格には逆相関があるといわれています。つまり、株式と債券を持って入れば、株価が下がれば債券価格が上がり、株価が上がれば債券価格は下がることでお互いのリスクをカバーすることができます。

相関性が異なる投資商品に対して分散して投資をすることで、期待リターンを維持した上でリスクを小さくすることができます。

まず、リスクというのはぶれ幅の大きさ
Aという投資商品が-20%~+20%の間で変動するとしたらこの変動幅がリスクです。一方の期待リターンというのは「期待値としてどれほどのリターンが期待できるのか」ということです。

平均分散アプローチによると分散投資を行うことで、期待値としてのリターンは維持したままで、変動幅の大きさだけを小さくすることができます。

 

 

分散投資のデメリット

一方で分散投資は完璧な投資方法ではありません。分散投資のデメリットとしては大きく「最大リターンの低減」「分散投資にかかるコスト」という二つのデメリットがあります。

 

リターンの低減

分散投資はリターンを低減させます。例えば、逆相関の関係にある投資商品二つに分散投資をした場合、片方のリターンをもう片方の値下がりが打ち消しあいをしてしまうため、単独で投資をするよりもリターンは減少してしまいます。
短期投資による値幅をとろうとする投資行為から考えると効率性が落ちると考えられます。

 

分散投資のコスト

分散投資をするにはたくさんの投資対象に対して投資をする必要がありますので、必然的に投資に必要な元本(元手)は大きくなってしまいます。また、さらに、取引の回数も増加しますので、証券会社等に支払う取引コストも大きくなってしまいます。

 

「分散投資」の用語解説・関連サイト

ここではこのページで使われた様々な用語について解説をします。リンク先は「金融経済用語辞典」の用語解説ページ、または関連情報が掲載されているサイトです。

分散投資とは
分散投資とは、投資対象を分散させることによりリスクも分散させる投資法のこと。

ヘッジ取引とは
ヘッジ取引はリスクに対して備えるための取引のこと。

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