株式投資では、極端に売買のバランスが崩れた場合「特別気配」となり、値が付かなくなります。特別気配の間は売買注文を出しても成立しません。買い注文や売り注文のどちらかに注文が偏った時に発生します。
買い注文が多い特別気配を「特買い」、逆に売り注文が多い特別気配のことを「特売り」ともいいます。ここでは、特別気配のしくみとどのようなときに特別気配となるのかを解説していきます。
特別気配(とくべつけはい)とは、ザラ場または、寄り付き時において、「売り」または「買い」のどちらかの数量、気配が強いことから、すぐに値段をつけるのではなく、徐々に気配を切り下げ(切り上げ)ながら、需給が合うところまで値段(株価)を調整することを指します。
特別気配となると、立会時間であっても売買は行われずに、需給がかみ合うまでの間、値段を切り下げ(切り上げ)ながら調整していきます。
買い気配(特買い)の場合には株価を切り上げながら、売り気配(特売り)の場合は株価を切り下げながら買い注文と売り注文が整うまで動きます。
(具体的には「板寄せ方式」という方法で決められます)
株価が500円未満の場合には基準となる株価から上下5円以上気配値が異なる場合が特別気配となり、1,000円未満の場合は上下10円以上というように、細かく定められています。
一般には、その会社にとって何らかの大きなニュースが出たときや前日と大きく経済情勢が変わった場合など(例えばNYの株価が大きく変動したなど)があった場合に起こりやすいです。
特に、超ポジティブ(または超ネガティブ)なニュースが出たときには買い一色、売り一色の気配となり株価が大きく動くことがあります。
特別気配の問題・注意は、その間株価は変動(切り上げ・切り下げ)しますが、取引をすることができないということです。
持っている株が特別気配で切りあがる分は株価が上がるため喜ばしいことですが、逆に株価が切り下がる場合、もし損切りラインを超えて、売却しようと思っても、値段が付かないため売却することもできないという事態になる可能性があります。
資産運用における「リスク管理」のところでも説明したように損切りラインを決めていても、特別気配中は売買が成立せず気配だけが変動することになりますので、仮に売りたい、買い戻したいという場合でも取引ができないリスクがあります。
でもそんなことめったに無いでしょ?大きな会社の株なら大丈夫でしょ?と思われるかもしれませんが、大型の株式でも起こることがあります。
例えば、2010年には超大型企業であるJALが経営破たんしました。この時株価は70円くらいから一気に10円くらいまで下げてしまいました。割合にすると85%の下落です。
こんな特別なケースではなくても、たとえば、決算などの影響によってはいきなり値段が動くということも良くあります。
基本的に特別気配となるのは、その会社や業界、市場全体にとって大きな影響が出た場合です。業績の大幅な下方修正(上方修正)、合併、買収、増資、天災、事故事件など原因は様々なですが、基本的には会社の業績や1株に対する利益などに対して大きな材料が出た場合に特別気配となります。
また、先ほどの例で挙げたように経営危機に関することが起きたときも、特別気配となりやすいです。
それぞれの銘柄にはストップ高・ストップ安という一日の相場変動で許される上限と下限の変動幅が設定されています。特別気配となり、その上限・下限の限界まで気配値が変動しても寄り付かないことをストップ高張り付き(ストップ安張り付き)となります。
そのまま、寄り付かずに、特別気配のままその日の取引が終った場合、ストップ高比例配分(ストップ安比例配分)となります。
比例配分とは、簡単に説明すると、一旦その日のストップ高、ストップ安の値段で取引を成立させるというもの。買いが1万株に対して売りが10万株の場合、需給のバランスが崩れているため、通常の板寄せ方式では、価格を決定することができないため、上記の場合、売りに対して買いを比例的に配分するという形になります。
詳しくは「比例配分とは」をご覧下さい。
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